のど編

子供がたびたび扁桃腺が腫れて熱が出ます。「かかりつけ」の先生に相談したところ扁桃腺を手術して取った方がいいでしょう。と言われました。手術の必要がある場合はどんな時でしょうか?

一般に扁桃摘出手術の適応は下記のようなものがあります。
これらがすべてではありませんが ご参考までにお話いたします。

1、扁桃肥大が高度で嚥下、呼吸が障害される場合。
2、習慣性扁桃炎を年に4から6回以上繰り返し、欠席が多い場合。
3、扁桃周囲膿瘍(膿がたまってすまう)を繰り返す。
4、病巣扁桃(腎炎、リュウマチ熱の原因病巣感染のこと)が疑われる場合。
5、急性中耳炎、滲出性中耳炎の反復、聴力低下、慢性鼻副鼻腔炎などの併発がある場合。

などです。この他にもありますが詳しくは耳鼻科の先生にもご相談ください。


23才の女性です。2から3年前よりリンゴを食べるとすぐに口の中や唇がかゆくなってはれあがったり、腹痛がするようになりました。他の果実でも起こりそうで心配です。

最近大人の方に増えている果実アレルギーと考えられます。
シラカバの自生している北海道ではシラカバ花粉症がありますがリンゴなどの共通抗原アレルギーも増加しているようです。

同様にメロン、キウイ、オレンジのアレルギーも有名ですが 最近モモなど和物の果実のアレルギーも増加しています。
こういった果実を食べた直後に口の中や、周りまたのどの痒みが感じられたら注意してください。


3才の男児ですが、いびきがあり「睡眠時無呼吸症候群」ではないかと心配です。
「睡眠時無呼吸症候群」とはどんな病気でしょうか?またいびきにはどんな治療があるのでしょうか?

まず「睡眠時無呼吸症候群」とは医学的には「就寝中に10秒以上の無呼吸が一晩に30回以上起きるか、同じく10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上起きること」と定義されております。
お子さまの呼吸の状態がこの定義にあてはまれば「睡眠時無呼吸症候群」ということになりますが小児の場合は定義・条件が異なる場合もあります。

原因としては鼻の病気、扁桃、アデノイド肥大などの閉息型、呼吸中枢が原因の中枢型などに分類されます。ただ3才児とのことですのでまずは「いびき」のみでしょう。まずは鼻の病気(アレルギー性鼻炎、小児副鼻腔炎)と扁桃、アデノイド肥大といった原因を疑います。早めに耳鼻科で鼻とのどの原因診断をお勧めします。   
        
 3才から5才までは一般に年齢の境界領域にあたり、手術適応はかなり慎重に決定される先生が多いと思います。まずは鼻の病気(アレルギーや副鼻腔炎)の治療をして1から2ヶ月の経過をみてはいかがでしょうか?ただお子さまが「睡眠時無呼吸症候群」の疑いが強いようでしたら早期の診断は最重要になると思います。

追記:2月3日(日曜日)に日本気管食道科学会専門医会の特別公開講座「睡眠時無呼吸症候群をめぐって」に出席いたしました。色々な領域の方々の出席があり、この疾患が広く関心がもたれていることを痛感した次第です。二十数年前に故池松先生に個人的に「いびき」のお話をうかがう機会がありましたが、その時はこれほど社会的な疾患になるとは思っておりませんでした。


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