3才の男児ですが、いびきがあり「睡眠時無呼吸症候群」ではないかと心配です。
「睡眠時無呼吸症候群」とはどんな病気でしょうか?またいびきにはどんな治療があるのでしょうか?

まず「睡眠時無呼吸症候群」とは医学的には「就寝中に10秒以上の無呼吸が一晩に30回以上起きるか、同じく10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上起きること」と定義されております。
お子さまの呼吸の状態がこの定義にあてはまれば「睡眠時無呼吸症候群」ということになりますが小児の場合は定義・条件が異なる場合もあります。

原因としては鼻の病気、扁桃、アデノイド肥大などの閉息型、呼吸中枢が原因の中枢型などに分類されます。ただ3才児とのことですのでまずは「いびき」のみでしょう。まずは鼻の病気(アレルギー性鼻炎、小児副鼻腔炎)と扁桃、アデノイド肥大といった原因を疑います。早めに耳鼻科で鼻とのどの原因診断をお勧めします。   
        
 3才から5才までは一般に年齢の境界領域にあたり、手術適応はかなり慎重に決定される先生が多いと思います。まずは鼻の病気(アレルギーや副鼻腔炎)の治療をして1から2ヶ月の経過をみてはいかがでしょうか?ただお子さまが「睡眠時無呼吸症候群」の疑いが強いようでしたら早期の診断は最重要になると思います。

追記:2月3日(日曜日)に日本気管食道科学会専門医会の特別公開講座「睡眠時無呼吸症候群をめぐって」に出席いたしました。色々な領域の方々の出席があり、この疾患が広く関心がもたれていることを痛感した次第です。二十数年前に故池松先生に個人的に「いびき」のお話をうかがう機会がありましたが、その時はこれほど社会的な疾患になるとは思っておりませんでした。


4才の男児です。風邪をひいた時に急に咳がひどくなり「ゼイゼイ」といった息をして苦しそうでした。小児科の先生にご相談をし、吸入をしていただいたら症状が軽くなりましたが「クループ症候群」疑いと言われました。普通の風邪とはどう違うのですか?

まず「クループ症候群」とは風邪のウイルス感染などによって喉頭の声帯部分やその下の部分が腫れて呼吸が出来なくなる状態です。
音は犬の遠吠の様な咳発作です。声がれ(嗄声)もあり、「ヒュ-ヒュ-」ということもあります。

治療は吸入療法や薬の内服などで症状は軽快しますが、あまり苦しいようならば入院することも珍しくありません。一
般に3才から4才までの子供に多いとされており、また季節は秋から冬にかけてが多いとされています。一般の風邪症状と異なって咳や呼吸症状が急激に悪化することが多く注意が必要です。


小学校3年の男児です。学校やクラブなどで元気に活動しておりますが、この2ヶ月間に時々声が嗄れ、しばらくすると元にもどります。
ただこの2週間は声がガラガラしており、耳鼻科の先生に診察をしていただいたところ「学童嗄声」といわれました。なにか生活上注意することがあるのでしょうか?

まず小児の嗄声(声がれ)の多くは声帯の炎症と浮腫です。急に大きな声を出したり、高い声や、長時間会話をすると声帯に変化が起き、声がかれることになります。
一般的には小児の「声がれ」は保存的治療といって
1)声の安静
2)吸入療法
3)内服療法
などを2~3ヶ月行います。

さてご質問の「学童嗄声」ですが耳鼻科の先生から特に「声帯結節」や「声帯ポリープ」のご指摘がないようならば、あまり心配はないと思いますので定期的に耳鼻科の先生に喉頭鏡やファイバー検査で経過をみていただいてよいと思います。声の安静や発声法でのご質問などがあればご相談ください。

ご注意される点は
(急)に(大)きく(高)い声を出さない
(長)時間しゃべらない
です。


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